旗の台 居酒屋「まるちゃん」

居酒屋探偵DAITENの生活 第275回 2009年11月02日(月) 【地域別】  【時間順】



旗の台 居酒屋「まるちゃん」

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 月曜日はなるべく呑まないようにしているのだが、翌日の11月3日の火曜日は文化の日で休みである。改めてそのことに気づいてしまうとすっかり安心してしまい、東急池上線の旗の台駅で降りてしまった。駅周辺を歩く。このあたりもどれだけ歩いたであろうか。歩いていない路地は無いかも知れない。新しい店が出来れば行ってみる。しかし、なかなかここに記事を書く気持ちになる店が増えないのである。
 今日は、ずっと以前に何度か入ったことのある店が無くなって、そのあとに居抜きのまま入った店に行ってみることにした。場所は東急池上線旗の台駅の蒲田方面の東口改札を出て右へ、十字路を抜けて、東急大井町線の下をくぐり、次の十字路を過ぎた先の右手に小さな飲食店が数軒並んでいる。その一番手前の店が今日の目的の店である
 入口は暗めだ。大げさな看板もない。入口脇にあるアクリルの白いシンプルな看板のみが新しい。
 店名は居酒屋「まるちゃん」である。入口の左手の縦型の黒板に「レディースディ、女性の方5%引き、女性同伴のグループ5%引き」と書いてある。

 中を入ると4人掛けテーブルが左手に2つ、右手に一つある。その間を通ってゆくと、奥の右手に7人掛けのL字カウンターがある。奥に長い店だ。
 カウンターの中に身体の大きなマスター。先客の男性と女性がカウンター席の手前から奥の長い側に座っていらっしゃる。私はカウンターの短い側の右端の席に座った。
 まずは、レモンサワー(320円)をいただく。ツマミは、釣りスズキ(300円)を頼んだ。
 切り身は7切れ、これで300円は安い。淡泊でおいしい。これは日本酒にするべきだったのではないかと思う。

 壁のおすすめメニューを見ると、冷凍枝豆(300円)と書いてある。「冷凍」とわざわざ書くとは、実に正直である。
 手元のメニューを見ると、焼きうどん、焼きそば、もりそば、そうめん等がある。どれも480円だ。全体に食事メニューが充実しているようだ。その上、火曜、木曜、土曜はお寿司の日として、にぎり寿司が一貫100円とのこと。

 ちょっと肌寒く感じたので、2杯目は焼酎お湯割(320円)にする。昨日の日曜日、東京は25度を越えた。11月としては記録的暑さである。それが、今日は10度気温が低くなったという。急にお湯割りや熱燗が恋しい季節が東京にやってきたわけである。

 メニューに「とりたま」とあった。
 「とりたまって何ですか?」と聞く。
 「親子丼の上です」と頬笑むマスター。明解である。
 「それ、お願いします」と言って、とりたま(480円)をお願いした。

 とりたまがやってくる。キャベツが下に敷いてあって、一緒に食べるとうまい。やはり、ご飯が欲しくなるおかずメニューである。
 3杯目はお湯割をおかわりした。常連の皆さんと話しながらマスターが気を使ってこちらにも話しかけてくれる。マスターは身長が180センチあるそうだ。ちょっと強面に見えて、目の奥がやさしい。そんなマスターである。モトクロスをされたり、バイクでツーリングをするのが趣味であるとのこと。
 楽しく話を聞いているうちに時が過ぎていった。もう帰る時間である。
 お勘定をお願いして、「楽しかったです、また来ます」と言って外に出た。

 午後7時から8時30分まで1時間半の滞在。お勘定は2,040円であった。

  旗の台まるちゃん看板

旗の台 居酒屋「まるちゃん」
住所 東京都品川区旗の台5-8-7-101
電話 03-3783-6155
定休日 水曜
営業時間 18:00〜25:00
交通 東急池上線・大井町線旗の台駅東口改札口下車徒歩3分


ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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石川台 やきとん「たっくん」第4回

居酒屋探偵DAITENの生活 第274回 2009年11月01日(日) 【地域別】  【時間順】


※2009年11月5日 370,000カウント通過 感謝!


石川台 やきとん「たっくん」 第4回

   石川台 やきとん「たっくん」    にほんブログ村 グルメブログへ ←「東京食べ歩き」参加中。

 大田区には黒湯の天然温泉の銭湯がたくさんある。
 池上線では、蒲田のゆーシティ蒲田、蓮沼のはすぬま温泉、池上の久松温泉桜館、久が原の天然温泉益の湯、御嶽山駅近くの調布弁天湯石川台稲荷湯などがおり、京浜急行沿線では、平和島の平和島温泉クアハウス、雑色駅の蒲田温泉天然温泉NU-LANDさがみゆ、六郷土手の六郷温泉などの黒湯温泉が存在する。因みに私は以上の黒湯温泉の全てに入ったことがある。
 10年ほど前に銭湯巡りを趣味にしていた時期があって、大田区、品川区、目黒区、世田谷区の一部の城南地区黒湯銭湯のほとんどに入ったのである。銭湯の近くには、味わいある居酒屋が多いことは当時から気が付いていた。銭湯を巡って歩くことが現在の居酒屋探偵生活に繋がっているのかもしれない。

 今日は、池上線の御嶽山駅の近く、線路に面した場所にある調布弁天湯sakuraと二人で行った。茶褐色のお湯の泉質はやわらかく、ジャグジーなど白湯の風呂も充実しており、サウナも安い追加料金で入ることが出来る。ロビーも広く、飲物も充実しており、高機能のマッサージ機もある。良い銭湯だ。

 調布弁天湯を出ると、小雨が降りはじめた。そこで、御嶽山駅から電車に乗って、前回紹介した石川台駅前の立ちのみ「串揚げ てん」で雨宿りでもしようかということになった。しかし、石川台駅についてみると雨はそれほどでもない。そこで、同じ商店街に面したやきとん「たっくん」まで、雨の中を歩いてみることにした。前回紹介したのは一年近く前の第157回である。

 「たっくん」には一年ぶりの訪問である。しかし、やきとん「たっくん」のマスターたっくんは一年のギャップをまったく感じさせない対応で迎え入れてくれた。
 まずは、sakuraはエビスビール中瓶(550円)、私は黒ホッピー(450円)を氷なしである。つまみは、140円のやきとんの中から「ばら」、「かしら」、「はらみ」。120円のやきとりから「ナンコツ」を選ぶ。「ばら」と「はらみ」が美味かった。
 
 2杯目は角ハイボール(400円)である。
 実は、私達が知らぬ間に今年の4月でお店を辞めていたもつやき「たっくん」創設メンバーの女性がたまたま今日はヘルプで来ていたのである。「偶然だね」と盛り上がる。彼女が辞めてからマスターのたっくん以外に3人のバイトの男性が交代で入っているそうだ。彼女を知らない新しいお客さんに「新人さん?」と聞かれ、「いやに最初から動きがいいね」などと言われるそうである。面白い。

 角ハイボールは小さめグラスで濃いめ。最初から出来上がっている流行りの居酒屋角ハイボールとは違うものである。元お酒関係の仕事をしていたたっくんらしいグラスのハイボールだ。

 追加のつまみは、キャベツ(250円)とポテトサラダ(250円)。自家製のポテトサラダは胡椒が効いていて、私の好きな味である。
 最後に青森の酒、冷酒じょっぱり(750円)をもらって2人で飲んだ。酒を飲みながらカウンターに置いてある知恵の輪やパズルで遊んでしまう。雨は止まない。

 壁に「ちょい呑みセット(850円)」とある。生ビールか瓶ビール中瓶のどちらか+串焼き3本+日替わり2品とのこと。追加は一杯のみ可能とのこと。あくまで、お試しで飲んでもらうための企画商品である。
 雨が止まず、ここからたっくんと話しながらサッポロ中瓶(500円)を2本飲んでしまった。たっくんも色々とアイデアがあるようだ。石川台駅前にもっと居酒屋が増えてもらいたいそうである。私もそう思う。店が増えて人が集まり、お互いに切磋琢磨した方が良い。もっと活気が欲しいのである。前回の第273回で紹介した「串揚げてん」の存在は頼もしいとたっくんは言う。

 トイレに行くとノートがあった。お客さんがお店に対するメッセージを1ページの上半分に書く、そして、お店側が1ページの下半分に返信を書くのである。地道な常連作りの手法である。
 雨が止まないまま、1時間半ほどの滞在となった。雨の為、たっくんとも久しぶりに話が出来、楽しく飲むことが出来た。お勘定は二人で3,890円であった。

 ※   ※   ※

 「たっくん」の公式サイトが出来た。URLはhttp://www.yakiton-takkun.com/である。

 ※   ※   ※

 追記 2009年11月5日(木)再訪

 ちょいのみセット(850円)を試す為に再訪する。お店に入った途端に、マスターのたっくんが「ちょうど良かったです」と言う。
 実は、携帯電話の裏蓋を無くしてしまい、前回うかがった翌々日に来店、携帯電話の裏蓋が落ちていなかったか聞いたのである。その時には無いとのことであった。ところが、その後、店を掃除している時に見つけてくれたそうなのである。
 今日、隣の雪谷大塚駅の近くの携帯ショップで裏蓋を注文するつもりでいたものが、なぜか、石川台駅で降りて、たっくんに向かったのである。どうやら、なんとか渡したいというたっくんの念じた気持ちが私に伝わったのかもしれない。そんなようなことを話して笑いあう。

 ちょいのみセット(850円)はオープンから20時までの限定企画商品である。ただし、追加の飲み物は一杯のみということになっている。
 好きな串焼き3本として、かしら(140円)、はらみ(140円)、たん(140円)を選ぶ、さらに、韮モヤシ炒め、なすのぴり辛煮の小鉢がついてくる。飲み物は定番のサッポロ赤星中瓶(500円)。1000円以上のの内容が850円ということになる。
 
 お店の方々が店の前を通る人に「お帰りなさ〜い、おきをつけて〜」と掛ける声は三年半前の開店時と変わらない。公式サイトでたっくんが「お帰りなさ〜い」と言っているので聞いてみてほしい。
 一杯のみ許されている追記の飲み物として、ホッピー白(450円)を氷なしでもらった。また、並びの方の話から石川台の新しい店の開店情報を得ることが出来た。
 午後7時20分から50分までの30分の「ちょいのみタイム」である。お勘定は1,300円であった。
 「本当に助かりました」と言って店を出る。


石川台 やきとん「たっくん」に関する過去の紹介記事
第3回紹介 居酒屋探偵DAITENの生活 第157回 2008年11月8日(土) 
第2回紹介 居酒屋探偵DAITENの生活 第112回 2008年7月3日(木)
第1回紹介 居酒屋探偵DAITENの生活 第45回 2007年10月9日(火)


石川台 やきとん「たっくん」
住所 東京都大田区東雪谷2-25-8
電話 03-5499-6133
定休日 月曜
営業時間 18:00〜25:00(火〜土)/18:00〜24:00(日)
交通 東急池上線石川台駅下車徒歩1分
公式サイト http://www.yakiton-takkun.com/


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石川台 立ちのみ「串揚げ てん」

居酒屋探偵DAITENの生活 第273回 2009年10月28日(水) 【地域別】  【時間順】



石川台 立ちのみ「串揚げ てん」

 
  石川台立ちのみてん階段    にほんブログ村 グルメブログへ ←「東京食べ歩き」参加中。


 東急池上線の石川台駅の蒲田方面の改札前に立ち飲み店が出来た。2009年10月16日(金)に開店したそうである。以前は、ちょっと高級志向の洋風居酒屋であったが続かなかった。その前もなんども違う業態の店が入っていたけれど、いつの間にか代わってしまう。駅前であるけれど、急な階段を上がった二階の店というのは、なかなか厳しいのかもしれない。
 しかも、一階のお持ち帰りのたこ焼き店の看板が巨大過ぎて、2階の店が目立たないのである。二階の窓ガラスに店名が書いてある。しかし、階段の下には看板が出ていない。入口に小さな黒板がぶら下がっていて、「オープン 串揚げ 90円 2F てん」と書いてあるだけである。

 蒲田方面の改札を出て、左手の踏切の前に立ち、やっとこの看板に気づいた。少し離れて二階を見あげてみる。窓ガラスに「串揚げ てん」と書いてある。それでもあまり目立たない。
 外から見ると、女性客2人の姿が見えた。あの窓であの顔の高さとすれば、立ち飲み店に違いないと推理する。
 「たこ焼き店」の左側にある狭くて急な階段を上がってゆく。右手の入口から中に入ると、入って右手にカウンターがあり、8人ほどが座れるだろうか。カウンターの向こうには、さきほど外から見えた大きな窓がある。カウンターの背中側に大きなテーブルが二つ。それぞれ、7、8人が立てるようになっている。窓際の大テーブルにさきほどの女性客が二人立っていた。カウンターの中は調理場である。短髪でメガネのごつい感じのマスターらしき方がおり、調理場では揚げ担当の男性がもう一人仕事をしている。

 カウンターの一番窓際に立ち、店内を見回した。入口を入ってすぐのおすすめ黒板に、「串揚げ5本セット(400円)」とあり、「生ビール一杯目無料」と書いてある。早速、串揚げセットと生ビールをもらった。

 半分氷ったような状態のジョッキに入った生ビールがやってくる。銘柄はサッポロ。うまい。カウンター上と背後の壁の高い位置に、値段の札が下がっている。串揚げメニューの他に、「牛すじ煮込み」「豚足」「チャンジャ」「がつ」「センマイ」などの異質な商品が並んでいた。「ちょっと、普通の串揚げ店とは違う、何かあるな?」と思う。

 やがて、串揚げ5本セット(400円)がやってくる。内容は、「串かつ、銀杏、えび、なす、レンコン」である。5本400円であるから1本80円ということになる。これはお徳用だ。サイズも、こじゃれた串揚げ店などで時々見る、「よくもこんなに小さく切ったものだ」と思えるようなものとは異なり、普通に食べ応えのあるサイズである。食べてみれば、揚げ具合もちょうど良い。素揚げの銀杏が美味かった。

 2杯目は、ホッピー(400円)。氷なしでお願いする。業務用ではなく、コンビニで売っている量がちょっと少ないタイプである。なんの迷いもなく、すぐに氷なしに対応してくれる。マスターの顔をよく見て、どこかで会ったことがあるなと思う。ホッピーを持ってきてくれた時に、牛すじ煮込み(400円)も頼んだ。

 串揚げを揚げている男性と話をする。
 「さきほど、下からこちらを見ていらしたですよね」
 「ええ、たまたま、見あげてお店が代わっていることに気づいたんですよ」
 「あの・・・あちらが荏原病院の並びの「ごん」のマスターです」
 「どこかで見たお顔だなと思ったんですよ」と答える。
 
 これで、「牛すじ煮込み」「豚足」「チャンジャ」「がつ」「センマイ」などの特異なメニューが串揚げ店に存在するというが解けたのである。どれも、第68回第197回で紹介した〈洗足池 やきとり・焼肉「ごん」〉のメニューである。「ごん」さんは、地元の皆さんに愛されている店だ。

 牛すじの煮込みは肉と豆腐がたっぷり入っている。1杯目の生ビールがサービスだった為、ついついレモンサワー(350円)で、今日の3杯目を飲んでしまった。ジャガ芋とアスパラの串揚げも頼む。各90円である。
 4人ほどのグループの方がもう一つの大テーブルで乾杯をしている。実名連発の地元話が飛び交う。立ち飲みであることを知らずに入ったらしく、紹介した方が立ち飲みであることを言わなかったと冗談めかして不満を表明していた。
 揚げ担当の方と話しながら、「椅子を少し置いてくれと言われても、置かないほうがいいですよ。椅子を置いて変な風になってしまった立呑みをたくさん知ってますから。」と、ついついお節介なことを言ってしまった。すると、「絶対に置きません」という頼もしい答えが返ってきた。

 窓から外を見れば、古い駅舎があり、すぐ目の下は踏み切り。古い時代のシーンの撮影によく使われる場所である。石川台駅周辺はドラマCM撮影によく使われる。窓際からみる風景のなんと味のあることか。BGMジャズヴォーカル。蒲田方面の改札を出て、見上げていただきたい。本当に目立たないけれど、立ち飲みの串揚げ店がそこにある。新しく出来たのに、もう何年もやっているような気がする店だ。
 注文は小さな紙に書いて渡すようになっている。男性二人が切り盛りする「男酒場」。是非、続けて欲しいものである。

 午後7時30分から8時10分までの40分ほどの滞在。支払った金額は1,730円であった。
 
   ※  ※  ※

 実は、翌々日の10月30日(金)にも再訪してしまった。今度はsakuraと二人である。生ビール(サービス)2杯。がつ(ボイル)(350円)。流行りのウイスキーのハイボール(400円)。串揚げは銀杏、レンコン、ジャガ芋、いか、おくら、しいたけ、魚肉ソーセージ(各90円)、オニオンスライス(250円)、生グレープフルーツハイ(450円)、チューハイ(350円)など。
 今日も、立ち飲みとは知らずに入ってきた教授と学生らしきグループがいた。ここは立ち飲みである。住宅街である石川台の駅前に立ち飲みが出来てくれたことが本当にうれしい。


石川台立ちのみてん看板

石川台 立ちのみ「串揚げ てん」
住所 東京都大田区東雪谷2-24-12-2F
電話 ?
定休日 月曜休
営業時間 17:00〜23:00
交通 東急池上線石川台駅下車徒歩10秒。蒲田方面改札前。


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武蔵新田 角打ち「飯田酒店」

居酒屋探偵DAITENの生活 第272回 2009年10月24日(土) 【地域別】  【時間順】



武蔵新田 角打ち「飯田酒店」

 
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 東京・両国のシアターΧ(かい)で上演のシアター・コレクティブ実験劇場2009マリヴォー作「本気の役者たち」も無事完了。思いの外、多くの方に来ていただいた。御来場の皆様には感謝申し上げたい。
 公演の為に使用した道具や資材を咲良舎の倉庫に届けてくれた後、空となった創間元哉君の車に乗せてもらい、sakuraと共に自由が丘に向かった。創間君に自由が丘駅近くで降ろしてもらう。創間君は、今回の公演の中でトランペットを少し吹いた。そのトランペットのレッスンをこれから受けに行くという。公演直後というのに実に熱心である。

 色々と買い物をしてから向かったのは、東急多摩川線の武蔵新田。駅のすぐ近くにある黒湯の銭湯「森の湯」に入った。ここの銭湯は、特に派手な演出もないけれど、脱衣所にクラシック音楽が静かに流れており、サウナもあって、実に良い銭湯である。
 この「森の湯」に入った後、向かったのは、武蔵新田駅の蒲田駅方面の改札から1分。線路沿いにある「飯田酒店」である。どちらかと言えばモダンな感じの酒屋さんである。しかし、一歩中に入ると右手の商品棚の裏側に目立たないカウンターがあってお酒を飲むことが出来るのだ。今時は珍しくなってしまった「角打ち」である。私が「角打ち」の店を紹介するのは始めてだ。この辺りでは評判の店であり、先日、第270回の記事の中で、H社長の話にも出てきた店である。

 入口を入ると、奥で常連の方達が立って飲んでいるのが見えた。お店の女将さんが振り返ったので、手で酒を飲む仕草をして、「こんなことしたいんですけど」と言うと、そちらから入ってくださいと、店の入口を入ってすぐの冷蔵庫の脇の狭い通路を示された。そこから中に入ると、ちょっと暗くなった細長いスペースがあって、店の中に向かって奥行きの狭いカウンターになっている。店の奥の方には常連の皆さんがいる。奥側からもカウンターのあるスペースに入ることが出来る。真ん中に柱があって、奥と手前とは、ちょっと行き来がしにくい。頭の当たりには商品棚があって、カウンターと商品棚の間から店の中を覗くような感じで立ち飲むのである。
 カウンターの上のプラケースの中に、魚肉ソーセージや様々なつまみ類が入っている。それを自分でとって、自己申告をしてお金を払うのである。
 女将さんが「何を飲みますか?」とおっしゃる。まずは、燗酒(250円)を2杯もらう。コップにお酒を入れ、レンジで「チン」をしてくれる。「なんてお呼びすればいいんですか?」と聞くと、「皆さん、お母さんと呼んでくれるんですよ」とおっしゃる。
 つまみは、豆と柿の種(200円)を1袋。
 次に麒麟淡麗(260円)。500ミリリットル缶である。さらに、魚肉ソーセージ(200円)ももらった。お母さんの「魚肉ソーセージのムキ方講座」が始まる。常連の皆さんがみんな注目する。この「お母さん」の存在がこのお店の何よりのつまみのようである。素晴らしい。

 角打ちに入ると、祖父のことを思い出す。今から45年程前。やはり今日のように、祖父銭湯に行った帰り、「お母さんには内緒だよ」と言われ、川崎駅西口近くにあった「丸東」という大きな酒屋さんに入ったものである。量り売りの味噌の樽がいくつかあり、その周りで何人もの大人たちが、缶詰を開けてもらったり、イカを焼いてもらったりして、酒を飲んでいた。ワンカップなどない時代で、桝やコップに酒をついでもらって飲んでいたように思う。私は、出してもらった椅子に座り、立っている大人たちの間で、添加物満載のオレンジジュースを飲ませてもらった。若い頃の祖父曾祖父が大酒飲みであった為、酒を嫌っていた。それが晩年は毎日酒が切れない生活になっていたのである。
 十数年後、祖父は糖尿病の合併症がすすみ羽田空港に近い小さな病院で亡くなった。
 祖父と共に入った「丸東」の思い出は、祖父の嬉しそうな笑顔と、味噌樽の中の味噌につけられた指の跡である。それは、つまみを買わず、味噌を盗み食べた大人たちの指の跡だ。

 最後に、下町ハイボール缶(300円)にした。甘みが少ないので私の好きな缶チューハイである。sakuraは「さらりとした梅酒(300円)」である。「また、来ます」とお母さんに言って外に出る。常連の皆さんと共に笑顔で送ってくださった。楽しい店である。

 なお、飯田酒店は居酒屋探偵団団員のcroquettepunchさんも紹介されている。味わいある写真が載っているのでご覧頂きたい。

 午後5時30分から6時15分までの45分ほどの滞在。支払った金額は2人で1,760円であった。
 

武蔵新田 角打ち「飯田酒店」
住所 東京都大田区矢口1-7-18
電話 03-3758-2405
定休日 ?
営業時間 夕方から〜
交通 東急多摩川線武蔵新田駅下車徒歩1分。


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浅草橋 串焼き「ぶたいちろう」

居酒屋探偵DAITENの生活 第271回 2009年10月22日(木) 【地域別】  【時間順】



浅草橋 立ち飲み「炭火串焼ぶたいちろう」 第2回

 
   浅草橋ぶたいちろう    にほんブログ村 グルメブログへ ←「東京食べ歩き」参加中。

 
 東京・両国のシアターΧ(かい)で上演のシアター・コレクティブ実験劇場2009マリヴォー作「本気の役者たち」の二日目、一日三回の公演を終えた後の午後9時45分、劇場を出た私と演出のsakuraと、そして、今回、公証人役で出演している私の古い友人GAIと3人で浅草橋まで歩くことになった。シアターΧは両国駅から南に歩いた京葉道路沿いにある。劇場を出て、京葉道路を西に歩くと隅田川を渡る両国橋に出る。両国とは上総の国武蔵の国の境であることから「両国」と名付けられたそうである。
 両国橋の真ん中辺りに半円に橋から飛び出した展望台のような場所があって、買い込んでおいた缶ビールを飲みながら川沿いの夜景を見るのである。カタカナ言葉を使えば、クールダウンとでも言うのであろうか。公演の後、この橋を渡ることが「芝居の国から現実の国へと戻る為の通過儀礼」のようになっている。橋を渡る前は素面であったものが渡り終える時は酔っているわけである。
 
 再び歩きはじめ、柳橋を右手に見ながら進み、浅草橋を渡って浅草橋駅に出る。浅草橋からJR総武線に乗ってすぐ、忘れ物に気づいた。忘れ物を取りに戻る為、GAIと電車の中で別れ、秋葉原からもう一度総武線に乗って浅草橋に戻った。
 
 浅草橋には都営地下鉄浅草線も通っている。五反田まで行くことが出来るので都営地下鉄浅草線で帰ることにした。秋葉原で山手線に乗り換える手間が無いのである。すると、急に安心してしまう呑気な2人である。さらに、酒飲みの習性でJR浅草橋駅のガード脇の赤提灯の光に目がとまる。2人とも自然に吸い寄せられてしまったのが立ち飲みの店「炭火串焼ぶたいちろう」である。同店に入ったのは2回目。前回記事は2007年11月14日第52回である。近くには第51回で紹介した居酒屋「やまと」もある。

 角地にある店そのものはとても小さい。しかし、店の外側の壁に手作り風の狭いカウンターがあったり、ビールケースを重ねて板を乗せただけのテーブルがいくつも道路に置かれている。道路上の「止まれ」「止」の文字のすぐ脇に立って飲むのである。(写真参照)

 私はホッピー白(390円)を氷なし。sakuraは、プレミアムモルツ中生(490円)である。
 炭火串焼のメニューからカシラ串(100円)、ナンコツ串(100円)、豚ハラミ串(150円)、シイタケ串(150円)を各1本。銀杏串(120円)を2本頼んだ。
 アルマイトの円い皿に乗ってやって来た肉関係は全部比較的大串である。シイタケと銀杏もやってきた。全部、塩にしたが、塩の打ち方がとても良いとsakuraが言う。添えられた味噌とからしがうれしい。両方を交代につけて食べる。sakuraは味噌を付けて食べることに感動していた。
 ここも「角ハイボール(390円)」とメニューに大きく書いてある。作られたウイスキーハイボールブームである。
 飲物類は比較的安めである。レモンサワーは250円。若い人が喜びそうないろいろな甘い味のサワー類もある。
 肉豆腐(290円)が目にとまる。今日はモツ煮込みよりも豆腐が食べたかったのでちょうど良い。
 2杯目の飲物は、クエン酸サワー(290円)。懐かしい感じがする甘みだ。クエン酸サワーというのは、第153回で紹介した荏原中延のもつ焼き「仲居」で飲んだことがある。

 午後10時30分から11時15分までの45分ほどの滞在。お勘定は2人で2,570円であった。
 道端で飲む楽しみを味わうことが出来た。しかも鉄道のガード脇。これだけ素晴らしいシチュエーションは少ない。他にも安くて良い店がたくさんある浅草橋は居酒屋の宝庫といえる。


浅草橋 立ち飲み「炭火串焼ぶたいちろう」
住所 東京都台東区浅草橋1-9-9
電話 03-3863-9550
定休日 日曜祝日休
営業時間 月〜金 17:00〜24:30/土 17:00〜23:00
交通 JR線 浅草橋駅東口より徒歩1分/都営浅草線 浅草橋駅A3出口より徒歩1分

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両国 居酒屋「ニュー加賀屋・両国店」

居酒屋探偵DAITENの生活 第270回 2009年10月20日(火) 【地域別】  【時間順】


※2009年10月20日 360,000カウント通過 感謝!


両国 居酒屋「ニュー加賀屋・両国店」

 
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 東京・両国のシアターΧ(かい)で上演のシアター・コレクティブ実験劇場2009マリヴォー作「本気の役者たち」の初日を明日に控えた夜、「場当たり」の終わった後、以前から「居酒屋探偵DAITENの生活」にも何度か登場していただいた舞台監督であり照明・音響関連会社社長であるH社長と、演出のsakuraと3人で打ち合わせ方々呑むことになった。

 因みに、舞台用語辞典には
 【「場当たり」とは、本番と同じ状態の舞台で、役者の立ち位置の決定、場面 転換時(暗転時など)の物の出ハケの確認、照明、音楽のきっかけ合わせを行うこと、「ゲネ」の前に行われ、部分的、主に場面転換時を中心に行われる。 「場当たり」では、暗転の長さをはかったり、役者が暗闇での移動を練習したり、本番用の靴をはき、足音のチェックをしたり、言わば、役者が演技以外の練習をする。】とのこと。
 
 いつもは別の相撲ちゃんこ系の店に行くのであるが、今夜は「ニュー加賀屋・両国店」へ行くことにした。私は「困った時の加賀屋」といって、思い当たる居酒屋が無い場合、はずれの無い「加賀屋チェーンの店」に入ることにしている。

 両国駅東口改札を出ると、すぐ目の前に「横綱横丁」という路地がある。横綱横丁に入って、二つ目の十字路を左に曲がって、50メートルほど歩いた右手に、「加賀屋」と大きく書かれた赤提灯が下がっている。暖簾には「ニュー加賀屋」とある。
 「加賀屋」「ニュー加賀屋」とは何が違うのか。「加賀屋応援隊」というページを読むと、加賀屋には「加賀屋」「ニュー加賀屋」「加賀廣」の三つがあるとのこと。しかし、大串もつ焼き、煮込み、ホッピーを出すという点はまったく同じであるという。最初に出来た「加賀屋」と同じ街に後から出来た店とを区別する為、新しい方の店を「ニュー加賀屋」としたり、経営者が代わった時に、「ニュー加賀屋」に改名したりといったことらしい。

 入口を入ると、左手にテーブル席が2列あり、その向こうにはL字カウンター席。その右手にテーブル席があって、その奥には横に長い座敷席がある。席数は全部で34席とのこと。

 瓶ビール大(550円)を一本もらう。残念ながらスーパードライしかないそうである。それでも喉が渇いているので美味しい。
 H社長と私は、すぐにホッピー(380円)に切り替えた。私はいつもの通り氷なし。H社長は氷有りである。このまま社長は、「外1中4」のペースで呑む。しかも、4杯目でホッピーを余らせてしまった。究極の「ホッピー味の焼酎派」である。

 つまみは、まずはメニューのトップに大きく書いてある名物料理、煮込み鍋(480円)を頼む。
 モツといえば、ということで、昨日の稽古場での最終稽古の後、sakuraをはじめ、十数名で中目黒「小鳥屋」で呑んだ話が出る。私は忙しくて参加できなかった。モツ鍋がとても美味しくて、全員喜んでいたとのこと。
 さらに、H社長が必ず頼む和牛レバ刺し(700円)と、sakuraの好物のらっきょ塩づけ(350円)を頼んだ。

 私は、2杯目に酎ハイ(360円)。sakuraは、珍しくスーパードライ大瓶を追加した。H社長は「中・焼酎」の追加である。「中・焼酎」の価格は解らなかった。
 酎ハイは、氷と焼酎の入ったグラスとソーダの瓶が1本付いてくる出し方。ポテトサラダ(370円)も追加した。

 色々な酒場の話をしているうちに、H社長の口から東急多摩川線の武蔵新田の駅前にある角打ちのできる酒屋の話が出てきた。
 「それって、飯田酒店じゃありませんか」
 「そうそう、そんな名前だよ、カウンターもあって、いい店だよ」
 仕事関係の人に連れて行かれたそうである。私もつい先日、店の前まで行って定休日でふられたばかりであった。
 H社長は舞台の仕事で全国を回る為、どこの街でも安くて良い店を探すそうである。酒場の話になると酒飲み同志というものは盛り上がるものである。

 3杯目に、私はシークァーサーサワー(360円)にする。あまり酸っぱくない。sakuraは日本酒大(500円)。二合徳利のようである。H社長は「中・焼酎」追加。
 昔、高田馬場にあったアパートを改造した小劇場、「東芸劇場」の話になる。女優で演出家の渡辺えりさんが率いていた劇団300(さんじゅうまる)の前身、劇団200(にじゅうまる)の旗揚げの頃、「東芸劇場」で照明をされたそうである。その時の裏話で盛り上がる。同劇場は、第三舞台キャラメル・ボックス遊機械全自動シアターなど、小劇場の有名劇団が旗揚げの頃に使った劇場として有名である。
 その他、1970年代演劇の話をH社長が楽しそうに話してくださった。

 午後9時30分から11時まで、1時間半ほどの滞在。お勘定は3人で6,510円であった。


   ニュー加賀屋両国店提灯

両国 居酒屋「ニュー加賀屋・両国店」
住所 東京都墨田区両国3-21-6
電話 03-3635-3541
定休日 年中無休
営業時間 17:00〜24:00
交通 JR両国駅下車東口より徒歩2分。

ホッピー原理主義者とは?
ホッピービバレッジが推奨する飲み方【3冷】を【原理】として、どこの酒場でもできるだけ原理通りの飲み方をしようと努力する酒飲みのこと。特に、大量の氷と多すぎる焼酎を入れたホッピーは、焼酎のオンザロックのホッピー味であって、本当の「ホッピー」ではないと考える。ホッピービバレッジの「飲み方いろいろ」を参照。

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荏原中延 居酒屋「太平山酒蔵・荏原中延店」

居酒屋探偵DAITENの生活 第269回 2009年10月15日(木) 【地域別】  【時間順】




荏原中延 居酒屋「太平山酒蔵・荏原中延店」


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 荏原中延駅の裏に「太平山酒蔵・荏原中延店」という居酒屋がある。こちらのお店を訪れたのは、今から7、8年前かもしれない。その時、一緒だったのが第158回の記事で紹介した俳優の博田章敬君であった。当時の博田章敬君の行きつけのお店であり、彼がお店の方と楽しく話をしていた記憶がある。私が目的を持って居酒屋を巡るようになる以前の話なので、あまりお店の記憶はなかった。それ以来、再訪したいと思いながら実現しないでいたのである。

 太平山酒蔵は、どこも照明の入った黄色い大きな看板が印象的だ。長い年月で黄色がやや変色しており、店の左端に掛かる「お気軽にどうぞ」と書かれた提灯(写真)も良い意味でくたびれている。間口は比較的広い。左手は焼き鳥の焼き台が中にあって、右手の入口は格子戸になっている。典型的な古い居酒屋の風情である。

  太平山酒蔵荏原中延店提灯  ←「お気軽にどうぞ」の提灯
 
 格子戸をガラガラと音を立てて入る。入ってすぐ左手にカウンター五席。カウンターの中は調理場。右手に四人テーブルが一つ、その奥の中央が広くなっていて、十人くらいが座れる大テーブルがある。さらに奥には、十数人は座れる座敷もあった。
 中央の大テーブルには、お互い少し離れて常連の皆さんが二人座っておられる。前回、博田君と来たときにもこの大テーブルに座った記憶がある。常連席ということか。
 カウンターの中に、お店と同じように年期の入った女将さんがいて、この方が料理を作る。もう一人の娘さんかお嫁さん位の年齢の女性がそれを運ぶのだ。

 まずは、ホッピー黒(400円)をいただく。お通し(300円)は、きんぴらの煮付けである。黒ホッピーを氷なしでお願いすると、冷えたジョッキに焼酎を入れ、黒ホッピー瓶と一緒のセットが出てきた。
 カウンター席からは3枚の黒板に書かれた、本日のおすすめ商品がよく見えない。
 「店の中をうろうろしてすいません」と、先客の皆さんに言いながら、店の奥の方へ黒板メニューを見に行く。
 決めたのは、つるむらさきのおひたし(250円)と、たこ刺身(250円)である。

 ホッピーを美味しくいただきながら、きんぴらごぼうの突き出しを食べる。しゃきっとした食感があり、とても美味い。つるむらさきのおひたしも、ヌルっとした食感が独特で、量も多く美味い。たこ刺身も250円という価格にしては十分な量。
 たこ刺身を持ってきてくれた時、おてしょうに、お醤油をさしてくれる。そんなちょっとした気遣いがうれしい。

 店の中央の四角い巨大テーブルに、後から常連の皆さんがやってくる。まるで、互いに約束していたようにやってきて声をかけあう。その中で、いかにも江戸っ子という感じの方がいた。声が落語家「八代目 桂文楽」に似ている。久しぶりに「べらんめえ」を聞いた。昔、働いていた日暮里界隈の人たちを思い出す。この「べらんめえ口調」が、私にはまるで音楽のように心地よく聞こえるのである。実に楽しそうだ。私も江戸っ子3代目である母、そして、祖母や祖父の影響を受けて、酒が入ると「べらんめぇ口調」になってしまう。

 2杯目はレモンサワー(350円)。
 再び、店の奥まで行って、かしら串焼き(350円)を黒板メニューの中に発見する。でてきたものは、鉄串に6切れ刺したものが2本。大串である。
 お酒の価格は、サッポロビール大瓶が580円、中生ビールが480円、いいちこと二階堂の一升瓶が4000円、看板の秋田清酒太平山の小どっくりは330円、同じく生酒の300ミリリットル入瓶が650円である。

 柱時計が7時を打った。ゆっくりと時間が流れてゆく。
 店内には、誰かにプロデュースされ、無理矢理作られた「昭和」の雰囲気とは違う本物の何かがある。作ったのではない「時」が蓄積しているのだ。
 秋田清酒太平山一合(350円)を常温でいただいた。いわゆる「ひや」である。桝にグラスが入っていて、つぐときに桝にも少しこぼしてある。
 酒を呑む。美味い。桝の中の酒をこぼさないようにグラスに注ぎながら、呑み散らかす酒飲みではありたくないものだと考えた。しかし、「もし、酔って忘れてしまったら、ごめんなさい」ではある。
 常連の方々は五人に増えていた。皆さん、とても楽しそうだ。

 お勘定をお願いすると、2530円であった。6時25分から50分の滞在。
 常連の皆さんに「お先に」と声をかけると、べらんめえ口調“桂文楽師匠”
 「うるさくてすいませんね。」と、かん高い声でおっしゃる。
 「楽しそうなんで、次回は混ぜてもらいますから・・・」と答えて店を出た。



  太平山酒蔵荏原中延店看板

荏原中延 居酒屋「太平山酒蔵・荏原中延店」
住所 東京都品川区東中延1-10-19
電話 03-3787-5983
定休日 ?
営業時間 ?
交通 東急池上線荏原中延駅下車徒歩5分。


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蓮沼 立呑処「勘蔵」第6回

居酒屋探偵DAITENの生活 第268回 2009年10月12日(月) 【地域別】  【時間順】




蓮沼 立呑処「勘蔵」 第6回

    蓮沼立ち飲み勘蔵外観    にほんブログ村 グルメブログへ ←「東京食べ歩き」参加中。

 前回のお店を出て、右手に十数メートル歩くと多摩堤通りに出る。この通りを左に歩いて行くと、左手の向こう角にあるのが立呑処「勘藏」である。前にうかがった時のことは第243回に書いた。大体、3ヶ月に一度は立呑処「勘藏」を記事にしており、今回で6回目である。私は、あまり同じ店を繰り返し紹介しない。同じ店ばかりが続くと読者の皆さんが飽きてしまうのではないかと、心配になるからである。そんな私にとっては珍しいことである。
 
 今日も関さんの笑顔に迎えられ店に入る。目の前の小さな器に千円札を入れる。
 関さんが「昨日から始めた、ハイボールセット、いかがですか?」という。ここにもウイスキーハイボールの波がやってきている。ただし、こちらのウイスキーはサントリー角瓶ではなく、トリスウイスキーである。セットの価格は500円。トリスウイスキーがビアタンブラーに半分。ソーダ1瓶。小さなジョッキに氷とレモンの輪切りの入ったものが出てくる。ソーダとウイスキーを入れながら2杯のハイボールが飲める。

 つまみは、ポテトサラダ(150円)をお願いする。段々に人数が増えて、カウンターに立つのは私を含め8人となった。盛況だ。以前にお会いした方もいらっしゃる。いろいろな方の噂話が出る。「○○は最近こないね」「なんだか、最近忙しいらしいよ」といった会話である。
 2杯目に緑茶割り(250円)を頼み、やっこ(100円)ももらった。

 午後6時半頃になって、お店を女性の方にまかせて、関さんが常連の方2人と出かけられた。「お会式」に行くそうである。
 隣にいらした常連の方が「お会式は、普通のお祭りとは違い、日蓮正人の供養なんだよ」とおっしゃる。今日、蒲田中をずいぶんと歩いた。街を歩く人々の会話の中に「お会式」という単語が何度も出てくる。なんとなく、街全体が陽気な雰囲気につつまれている。
 蒲田に長年住んでおられる常連の方に、地元のいろいろ裏話を教えていただく。世の中、本当に面白いと思う。
 お話が面白く、レモンサワー(250円)、グループフルーツサワー(250円)と、ついつい続けて飲んでしまった。
 関さんが常連の方と一緒に、「お会式」から戻ってこられた。お酒を飲めない関さんが少し赤い顔をしている。私も「お会式」に行ってみたいと思う。しかし、ずんぶんと飲んでしまったので帰ることに決めた。滞在時間は午後6時00分から7時40分まで。立呑処「勘藏」は居心地が良い。今日も思いの外、長居してしまう。支払った金額は、つまみ2品と酒類4杯で合計1,500円であった。


立呑処「勘蔵」に関する過去の紹介記事
第5回紹介 居酒屋探偵DAITENの生活 第243回 2009年8月8日(土)
第4回紹介 居酒屋探偵DAITENの生活 第221回 2009年5月30日(土) 
第3回紹介 居酒屋探偵DAITENの生活 第191回 2009年3月15日(日) 
第2回紹介 居酒屋探偵DAITENの生活 第166回 2009年1月1日(木)
第1回紹介 居酒屋探偵DAITENの生活 第156回 2008年11月8日(土)

蓮沼 立呑処「勘蔵」
住所 東京都大田区西蒲田7-9-5
電話 ?
定休日 年中無休
営業時間 16:00〜26:00
交通 東急池上線蓮沼駅下車徒歩5分。JR蒲田駅下車徒歩3分。


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蒲田 居酒屋「大関」

居酒屋探偵DAITENの生活 第267回 2009年10月12日(月) 【地域別】  【時間順】




蒲田 居酒屋「大関」

   蒲田居酒屋大関    にほんブログ村 グルメブログへ ←「東京食べ歩き」参加中。

 
 子供の頃、川崎駅が現在のようになる遙か前、駅の外から走り抜ける列車を容易に見ることが出来た。蒸気機関車が時折通ってゆく。汽笛の鋭い音。石炭の匂いを覚えている。祖父に連れられ、あちらこちらに電車で出かけた。特に車窓から見る操車場の眺めが好きだった。電車から窓の外を見ていると、今でも物悲しい気持ちになる。幼少期の日々に明るい思い出は少ない。その後、大人になった私は鉄道ファンにはならなかった。

 第265回の記事の一番最後の部分に、蒲田電車区の操車場を見に行きたいと書いた。その操車場に行ってみることにした。

 まずは、蒲田駅の西側に広がる商店街を散策、南に下がって環八通りを渡り、さらに南に下がると左手に太田区民センターがあった。太田区民センターの南側に蒲田電車区があり、操車場に並ぶ電車の姿が見えた。右に曲がり、操車場の西の端に行く。線路の終点部分の写真を撮った。

   蒲田電車区その1 ←蒲田電車区 西側から撮影

 線路の終点部分の「×印」を見ると、なんとなく悲しい気分になる。もう、これから先には行けないのだと思うと、心が重くなるのである。
 電車の頭の部分を眺めながら南に下り、南の端からもう一枚写真を撮影した。

  蒲田電車区その2 ←蒲田電車区 南側から撮影

 並んでいるのは京浜東北線の新しく美しい車体である。昔見た茶色い国鉄時代の車両とはずいぶん違う。社内の照明が消された、あの茶色の車体がたくさん並ぶ様子を見ていると、なにやら恐ろしささえ感じたものである。
 さらに、東側に回り、夕暮れ間近の操車場全体を撮した。第201回で書いた映画「砂の器」「現場」であることを改めて確認する。
 この場所を小説「砂の器」の殺人現場として書く為に、松本清張が周辺を歩いたのではないかと思う。そして、映画「砂の器」の野村芳太郎監督がカメラマンと共に、この辺りをロケハンしたのではないかと想像する。


  蒲田電車区その3 ←蒲田電車区 東側から撮影

 少しすすむと踏切がある。操車場に入る電車の為の踏切だ。その踏切を渡り、右方向へ行き、蒲田駅の方へ線路沿いを歩いた。

 ********************************

 ずいぶんと歩いたので、喉が渇いてしまった。蒲田駅西口側の裏通りにあまり目立たないけれど、良い店が一軒ある。本当に普通の居酒屋だ。名前も居酒屋「大関」という普通な名前である。
 西口のロータリーを渡り、右手に歩いて駅前から斜め右に向かう大通りを進み、二本目の道を左に曲がると、最初の十字路の右手前角に、その店の入っている雑居ビルが建っている。
 雑居ビルの角の入口に「居酒屋大関」と書かれた、赤い面と黄色い面のある四角いプラスチックの看板が立っている(写真)。外階段を上がって二階に上がると左手に店の入口がある。派手な看板などは無い。中を覗くと手前から奥にかけてカウンターが見える。カウンターの中は調理場。カウンターの奥にテーブル席が二個。左手は掘り炬燵式の小上がり席が広がっている。多少人数が多くても対応してくれるに違いない。席数は38席とのこと。雰囲気はサラリーマンのグループや中高年向きの「大衆割烹」であろう。「おしゃれなお店がいいわ」などという言葉を口にするような女性には向かないかもしれない。

 開店時間の5分前である。店内には誰もいない。カウンター席に座り、女性がホワイトボードに何か書き込んでいる。
 「もう、いいですか?」と言いながら店の中に入っていった。
 「どうぞ」と言われ、カウンターの一番奥、焼き台の前の席に座った。
 まずは、中生ビール(350円)を頼む。少しして、カウンターの中の男性が「お通しです」と言って、小鉢を渡してくれる。ワカサギの天ぷらのようである。

 生ビールを飲みながらメニューに目を通す。女性がカウンターの中の人とやりとりをしながらホワイトボードを埋めてゆく。
 私は、こちらの店の一番のおすすめ料理が刺身であることを知っている。しばらくして、女性がやってきたところで、「得々刺身」の小(800円)を頼んだ。
 得々刺身は三種類あり、小が800円、中が1200円、大が1600円である。他に単品の刺身が各480円。

 刺身が出てくる。いか、たこ、サーモン、ヒラマサなど七種類が21切れ。一人で食べるには多すぎる。他のつまみを頼むのを躊躇してしまった。飲物の2杯目は角ハイボール(330円)にした。
 メニューを見ると価格200円代から600円代まで、サラリーマンが数人で来て、刺身の大を頼んで飲めば安く上がるに違いない。雑居ビルの二階の目立たない店である。常連が集う、日常の居酒屋に違いない。
 刺身でハイボールをゆっくり飲む。私にとって、良い店の条件は「こちらが何か言うまで、放っておいてくれること」である。それが何よりである。やがて、賄い食ができあがり、男性二人、女性一人のお店の方達が食事を始めた。
 後ろを向いたり、しゃがんだりして、静かに賄い食を食べている。私は、こういうことは全然気にならない。気を使って静かに食べてくれることを申し訳なく思うほどである。私は、そんな人の気配が好きである。

 やがて、常連の方が登場された。「お会式」の話が始まる。マスターが楽しそうに話している。今日は池上本門寺で行われる「お会式」である。
 そういえば、今日の蒲田は街全体の気配がなんとなくざわついており、笑顔で話す人が多かった。

 4時55分から5時40分まで45分の滞在。お勘定は1,880円。また来ようと思う。マスターが丁寧におくってくださる。マニュアルなどない普通な笑顔と言葉であった。

 (つづく)

 
蒲田 居酒屋「大関」
住所 東京都大田区西蒲田7-6-8 マルニシビル2F
電話 03-3735-1789
定休日 日曜日
営業時間 17:00〜26:00
交通 東急池上線・多摩川線蒲田駅下車徒歩3分。JR京浜東北線蒲田駅下車徒歩3分。


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プロフィール

Author:DAITEN
筆名/新岳大典。ARATAKE-DAITEN。劇集団咲良舎制作。劇作家。居酒屋探偵。「東京城南居酒屋探偵団」団長。ホッピー原理主義者。他に演出家守輪咲良のページさくらの便りさくらの便りブログ版ブログ「人間日和」を運用中。今まで訪問した居酒屋の一覧をご覧になりたい方は【地域別一覧表】【時間順一覧表】をクリック。書き終わった記事も常に推敲・更新・日々変化。色々と変装して酒場に出没する場合あり。

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